フィンランド:コロナ禍

フィンランドでのコロナの状況を報告

収束に向かう雰囲気をなんとなく感じるが・・・・

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「花見」はヘルシンキ周辺にも定着。宴会グループは皆無だが。

緊急事態宣言から2か月。外出自粛や他人との安全距離確保の推奨は依然として続いているが、各種の規制がしだいに緩められてきた。
スポーツジムの多くはすでに営業を再開したし、図書館も今日から開館。学校再開も間近で、飲食店も来月には平常営業となることが見込まれている。陽気がよくなってきたことも気分的な支えの一つだろう。この週末は見事な晴天に恵まれ、「花見」も盛況だったようだ。
ヘルシンキには「桜公園」(Kirsikka puisto)と呼ばれる場所がある。ヘルシンキ中央駅から地下鉄で15分、徒歩10分余りの場所で、5万7000平方メートル。東京ドームの1.2倍の広さ。2007年に一般開放され、毎年この時期に行われるHanamiには年々参加者が増加している。今年はさすがに公式行事は中止されたのだが、実際には多くの人が訪れた。警察発表によると、「人々は間合いをとり、平穏無事に過ごしていた」とのこと。週末としては今年最高の天気だったから、外出の誘惑にかられるのも無理はない。しかしねえ・・・。無規制路線のスウェーデンじゃ今も感染者は増加してるし、減少傾向にあるフィンランドでも公共施設やレストランが再開して人々が集まれば、ぶりかえす危険性は十分あるだろうに。

マスクがようやく入手可能になったが

そんな中、ようやくマスクをみつけた。ショッピングセンターの一角に、マスク、防護手袋などの対コロナ用品を扱う出店を発見。
使い捨てマスクが5枚で10ユーロ(一枚約250円)。買おうかどうか迷った挙句、見送り。フィンランドでのマスク着用率は、印象として5%以下ではないか? つまり、マスク着用は社会的マナーではない。また、一月前ならいざしらず、収束ムードの現在、いまさら着用する意味はあるのか、といったことを考えたうえで買わなかった。

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谷の部分は週末だった

11日PM14:00集計データでは総感染者数5962人、死亡267人。ピークは越えたかに思えるが、上掲グラフを見ていて気付いたことがある。なぜ、大きな増減を繰り返しているのか? 答えは簡単。「谷」の部分は週末なのだ。コロナウィルスも土日は休む、というわけではもちろんない。検査数が少なくなるというだけのこと。日々の新規感染者は逓減してはいるものの、大幅に減少しているわけではない。昨日(10日)は7人? 午前中の同データでは0人だった。あくまでも一つの目安でしかないことを、改めて認識。

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対コロナワクチンはフィンランドでいち早く完成か

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                  acworksさんによる写真ACからの写真

新型コロナウイルス感染症に対する治療薬、予防薬(ワクチン)の開発には多くの国が取り組んでいる。日本企業も例外ではないし、そんな中でイギリスの研究チームは9月には量産化の可能性ありと発表したようだ。ところが、それよりも一足早く、ワクチン自体はフィンランドで完成しそうだ(Yle=フィンランド放送協会によるニュース)。夏至前に、ということだから、あと6週間ほどだ。朗報である。しかし、実用化されない可能性が高い。


というのは、経済上の理由からフィンランド企業は2003年にワクチンの量産から引き揚げたため。そして今回の成果は大学の研究所によるものなので、市場には出回らない見込み。他国の研究組織、企業と提携してはどうか、というのは私の素人考えで、研究自体が営利を目的にせず、また特定組織の独占を避けることをポリシーとしているため、話はそう簡単ではない。しかし、ワクチンが完成しつつあるというのは朗報であることに違いはない。

 

ぼちぼちとフィットネスクラブが営業再開。業務のためならフィンランド⇔エストニア間の移動が可能に等、規制は徐々に緩和。
5月8日公表の感染者数5738人、死亡260人。

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この時期に売り上げを伸ばしている会社がある

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アルコール飲料を一手に引き受ける、その名も「アルコ」

在宅勤務が進展し、飲食店の営業が制限される中、日本でも宅飲みが増えていると聞く。フィンランドも同様で、3月の売り上げは前年同月比9.3%増。
このデータは、アルコール販売の独占企業であるAlkoの発表。スーパーに置いてある酒類はアルコール度数5.5%未満のビールやシードルに限られ、それ以上の強度のものはAlkoでしか買えない。
コロナ禍が顕在化したとき、宅飲み量の増加を危惧して、Alkoの営業時間を制限しようという話があった。結局それは実現せず、案の定、販売量が増えたわけだが、バーやレストランが閉業しているから、この程度なら総消費量にどのような変化があったかは分からない。しかし、宅飲みだと、つい量が増えてしまうことは推測に難くない。また、同データは3月のものだから、4月以降の売り上げはさらに伸びていることだろう。アル中量産か。


回復基調を信じたい

そんな中、少しずつ明るい話も出てきた。まず本日、ごく一部の図書館機能が回復。ヘルシンキ在住者に限られるが、読みたい本を予約すると家まで無料で届けてくれるらしい。
14日からは開館する図書館も増えてくる。小中校再開と同じ日だ。
6月1日以降はさらに規制が緩まる予定。現在、10人以上の集会は禁じられているが、これが50人以上への緩和。レストランの営業制限も解かれる見込み。
続いて同月中旬にはキアスマ、アテネウムといった美術館が営業再開。美術館が立錐の余地もないほど混雑することはないだろうが、「娯楽」を禁じられていた後だけにどうなることか。一定の入場制限が行なわれるのかな。

一方、コロナへのワクチンが開発され、集団免疫を構成。一般の風邪レベルの脅威になるまで7年かかるという説もある。政府首脳もその認識はあるだろうが、そのまま公表したらパニックになるだろう。それを懸念して、明るいニュースを小出しにしているのだろうか。本格的な春が近づき、なんとなく楽観的な気分になりつつあるが、ゆめゆめ油断はできない。

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総感染者数は依然として増加

上掲グラフは国立福祉研究所が5月5日に公表したもの。総感染者数5412人、148人が治療中で49人が集中治療を受けている。これまでの死者240人。新規感染者数は減少傾向にあるが、ここ数日は毎日10人ほどが死亡している。「ピークの後は死者が増える」という説が正しければ、収束方向に向かっているといえなくもないのだろう。

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7月以降なら国際便も従来通りに予約はできる。予約だけならね。

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7月以降の再開なるか?

コロナ禍が騒がれ始めてから、ヘルシンキ発日本着の飛行機のスケジュールをときどき調べていた。渡航する気はなかったが、状況を知りたかったためである。3月中旬、コロナの脅威が世界を席巻した後、フィンエアーやJALの直行便はなくなったが、4月中旬までのフライトはかなりあった。先にも書いたが、ロンドン・ドバイ・香港経由。片道40時間で往復運賃は50万円などといった具合。あくまでも「予約が可能」だっただけで、実際に飛んだのか、利用する人はいたのか、などは分からない。

それを考えると、3月にヨーロッパ旅行した人々を一概に責めるわけにはいかんよなあ。2月中ならまだしも、3月以降のヨーロッパは罹患の危険性が顕在化したのに、旅行会社はツアーを中止しないどころか、引き続き販売してたんだもの。「学校休みで暇だし」とツアーに参加するのも不思議ではない。旅行会社はただちに中止すべきだったのである。
最近だとGWに沖縄観光に殺到する観光客が非難されているが、旅行会社の姿勢も問うべきだろう。マイル倍増キャンペーンや「今からでも間に合います」など、集客に必死だったではないか。飛行機が飛んでいる以上、利用者がいても不思議ではない。島民の帰省に限る、などの制限をかけるべきではないのか。


6月から収束へ、を仮定しているが・・・・


で、5月3日現在。早くもヘルシンキ→成田便復活の兆しが見えてまいりました。5月6日以降、片道20~40時間かかる経由便が30万円くらい。 月末だと10万円弱の選択肢も。さらに6月なら8万円程度。直行便はフィンエアーおよびJALが7月以降に再開予定。最安値は9万程度で、以前と同様。その後10月まで、出入国の曜日によるが、10~12万円ほどでも購入できるようだ。
感染のピークは6月という予測が示される中、5月6日には自主規制の一部が解除、小中校は14日に再開。季節も春めいて、なんとなく気分も明るくなってきたので「7月以降は国際便も従来通り?」と期待してしまうが、ウィルスはそんなことはお構いなしだろう。つまり、いつ収束するかなどは誰にも分らないわけで、飛行機が予定どおりに飛ぶ保証はない。
また、仮にフィンランドでコロナ禍が終息したとしても、そのとき日本はどうなっているか。まったくもって予断を許さぬ状況だ。
5月2日、新規感染者は5176人、死者220人。

下のグラフは札幌医科大学医学部が公開しているもの。ちょっと操作が必要だが、国別、地域別、日本国内なら都道府県別の動向がつかめる。
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/index.html

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3月上旬には爆発的増加が明らかだった

人口比でみると、フィンランドの感染者数は日本の10倍だああ。

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「感染者数減」は、どこまで信用できるのか

 

 

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5月2日の公表データ

5月2日の公表データによると、フィンランド国内のコロナ感染者総数は5176人。死亡220人。新規感染者は24人だ。一時期は200人/日を超えたが、増減の繰り返しを経る中でコロナ勢力は弱まってきたかのようにみえる。
しかし、そもそもこのデータ、特にグラフ表示されたそれの信ぴょう性が疑わしい。下に掲げるのは4月24日の投稿「フィンランド入国は事実上不可能に」にも載せたもの。同グラフでは4月21日の新規感染者は36人になっている。

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4月24日掲載データ

もう一度上掲の最新データを見てみよう。これによると21日(辺り)の新規感染者数は100人前後ではないか。同様の事後変更は頻繁に見られる。これはいったいどうしたことか。
日々のデータに一喜一憂しても意味はないし、一つの指標を絶対視するのも早計だが、
数値が後日変わるというのは理解できない。「10日前の新規感染者数の計算がまちがってました」なんてことはありえないだろうに。

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しかも、死者、復活しとるがな。まあ、これは単なる入力ミスだけどね。

 

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禁止ばかりの生活にもほのかな望みが

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ヴァップも今年は中止

5月1日といえばビージーズのその名もずばり、First of Mayを思い出すが、フィンランドおよびヨーロッパではヴァップ(Vappu=これはフィンランド語)である。古代ローマに起源を持つ春のお祭り。First of Mayが邦題の「若葉のころ」でないように、ヴァップもメーデーではない。
ま、それはともかく、ヴァップはフィンランドでの屋外イベントとしては年間を通じて最大のもの。当日にヘルシンキに出かけると、全市民が集まったのではないかと思えるほどの盛況。本格的な春の到来を全身で喜べる祭日なのだ。
が、当然ながら今年は中止。本記事執筆中のフィンランド時間は4月30日午後9時。日没まで間があるので、まだ明るい。30日は前夜祭なので、例年なら各地がごった返しているだろう。

1時間ほど前のニュースでヘルシンキの模様を流していた。今日ぐらいはいいじゃ~ん、といった感じで、街に繰り出している人もそこそこにいる。その間を騎馬警官がパトロール。まあ、ほのぼの、といった感じかな。

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ヘルシンキマラソンの開催は10月に

5月中旬に予定していたヘルシンキマラソンは10月3日に延期。コロナ禍は6月にピークを迎え、その後収束へ、という予測というか希望が実現すればいいが。これが叶えば東京オリンピックも?

バツ印の写真に引き続き、街中で見かけたものを紹介。

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「手をつないで歩かないように」と注意喚起してるのかと、一瞬本気で考えてしまった。
常識のある人なら「ここで歩道終了」という意味をただちに理解するだろうが、この時期だし、なにより標識の設置場所が悪いから戸惑った。歩道(車両進入禁止)エリアはこの標識の前後にずっと続いているのだから。

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左写真(歩道終了)の裏には右写真(歩行者専用)の標識が

日照時間がぐんぐん伸びて、日中はだいぶ暖かくなってきました。学校も2週間後には再開するようで、このままいい展開になることを切に望みます。

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無料の”ランチパック”を利用してみた

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配給は週に一度。その一週間前までに申請が必要。

学校閉鎖から一月半。児童の保護者の負担が大きいものの一つに食事がある。
フィンランドでは共働きがごく当たり前だが、この時期、必ずしも両親そろってテレワークができるわけではない。そうすると心配になるのが子供たちの昼食だ。 

地域による違いはあるが、休校後も児童たちに昼食を提供し続けている学校もある。それができない、あるいは意図的に集合を防ぐための措置として、“ランチパック”の支給がある。一週間前に申請し、児童が取りに行く制度。これを初めて利用してみた。内容はご覧の通り。品目を挙げておこう。 

・トマトとチーズのスープ
・ほうれん草とイラクサのスープ
・クリーム仕立てのチキンソース+ライス
・ケバブ入りジャガイモグラタン
・ライ麦の乾パン
・ほうれん草入りパンケーキ
・マーガリン
・きゅうり
・トマト
・牛乳1リットル 

初めの4種はレンジで温めて食べるおかず。5~6番目はパンに相当。平日5日分としたら、おかずが一日分足りない。今週は休日があるから、その日の分は除外しているのだろう。しかしそれならトマトも4つでいいはずだが。いっぽう、マーガリンは一週間で消費できる量ではない。翌週はないのかな?
来週分も申し込んだので、まもなくはっきりするだろう。

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電子レンジ用のインスタント食品。一般に市販されているもの。

 ジャガイモグラタンの消費期限は明日まで。トマト、きゅうりはスーパーの売れ残り品みたいで、かなり熟した状態だった。メインディッシュ+パン類+牛乳+野菜で、一食あたり300円程度と推測。

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本日のランチ

ほうれん草+イラクサのスープはビタミン・ミネラルが豊富なイメージ。半分に切ったゆで卵を浮かべて食べるのが定番。本品は出来合いにしてはなかなかいける。塩味が薄い点もよい。ライ麦の乾パンも、噛みしめると滋味を感じる。食感は煎餅。しかし、毎日これじゃあなあ・・・。

※参考
フィンランドでは19世紀後半から一部の学校で給食制度が始まった。1948年に給食の無料化が法制化。全国に展開される。現在に至るまで、「専業主婦」という存在がほぼ皆無であるため、昼食の確保は重要な国策だったのである。
現在の給食の一食当たり平均価格は2.76ユーロ。

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