フィンランド:コロナ禍

フィンランドでのコロナの状況を報告

商品がなくなった

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トイレットペーパー完売

3月中旬。コロナ禍の長期化が危ぶまれてくるとともに、商店から品物がなくなり始めた。まっさきに無くなったのは一部の食品(後述)だが、日本人の共感を得られやすく、かつインパクトのあるトイレットペーパーコーナーから紹介しよう。
写真を見れば一目瞭然。すべてのトイレットペーパーが完売。これ、おそらくは日本およびアジア諸国でのニュースが原因。

パルプ製品の生産大国であるフィンランドで、トイレットペーパーが品不足になることはまず考えられない。しかし、日本などでの買占め・品不足を伝えるTVを見て、「ああ、それは大変だ」と無用の警戒心を引き起こしたものと思われる。冷静に考えればわかるが、コロナが蔓延したからといってトイレットペーパーの消費量が増えるわけではない。手を洗ったあとは布タオルではなく、使い捨てのペーパータオルを使うことが推奨されたので、その消費量は確かに増えたが、品不足にはならない。生産能力は十分にあるのだ。

しかし風評の影響力は強く、あっという間に売り切れ。おふざけラジオ番組で流された「年内分のトイレットペーパーは備えたぞ」なんてコメントもその一因だったかもしれない。上掲写真は3月14日(土曜日)撮影。予想通り、16日(月)には棚いっぱいにトイレットペーパーが積まれていた。

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売り切れ商品にお国柄が表れる

3月20日、フィンランドで初めての死亡者が発生。首都圏封鎖が検討され、市民の危機感が高まり、日用品の買いだめが進んだ。前述のトイレットペーパー不足は一過性のものだと分かっていたが、食品となると話が違う。輸入物も多いし、切実度が高いからだ。
この4~5日で姿を消した主な食品は以下の通り(順不同)。地域・店舗によって差があるでしょう。

・スパゲティ、マカロニ、インスタントラーメン
・冷凍ピザ
・缶詰のトマトソース
・ひき肉
・ニンニク、ショーガ

調理が簡単で保存性の高いものということで乾麺や冷凍品が買い占められるのはよくわかる。が、トマトソースの需要がこれほど高いとは思わなかった。
ツナやミートパテの缶詰に影響はなし。ニンニクやショーガは「免疫力を高める」ということだろう。確かにその通りだが、即効性があるわけじゃないのに。ま、この辺は日本でも同じですね。TVで「〇〇ダイエット」なんて紹介されると即日完売、みたいな。
 

いっぽう、生鮮食料品は従来通りの品そろえ。この時期の野菜はもちろん、肉類も輸入品が多いので、むしろそっちから無くなっていくんじゃないかと危惧していた。この先はどうなるかわからないけど。