フィンランド:コロナ禍

フィンランドでのコロナの状況を報告

旅行会社の責任はどうする?

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フィンエアー、日本直行便を停止

3月上旬のことだが、知人がフィンランド旅行についての打診をしてきた。当然ながら、やめるように勧告。そうしたら案の定だ。フィンランド「など」に滞在していた女性がコロナ発症。3月17日に二例があった。「フィンランド“など”」という表記ではなく、訪問国を明らかにしてほしいものだが、イタリアでの爆発的な拡散以降、ヨーロッパは危ないというのは常識になったと思っていた。
が、実情はまるで違う。

 

3月中旬、フィンエアーは運航の9割減を発表。が、同社のドル箱であるヘルシンキ⇔日本(5空港)の路線は維持。ヘルシンキ⇔羽田で予定していた増便はとりやめ、という方針を示した。4月以降もバンバン飛ばしますよ、ということだ。楽観に過ぎないか、と感じたことを覚えている。3月15日時点のヘルシンキ⇔成田の往復料金は7万円を切っていた。

そういうわけで、3月中旬くらいまでなら、いくらでも海外旅行が(少なくとも予約は)できたわけだ。学校も休みだし、ツアーがあるなら行っちゃおう、と考える人がいてもおかしくはない。浅はかではあるが、しょうがない。売ってるんだから。

 罹患の可能性は十分に推測できた

3月2日から13日にかけて欧州を旅行してコロナに罹患をした京都産業大学の学生たちに批判が集まったのは記憶に新しい。発症後の行動は非常識ではあるが、2日の出国時点で、彼らに危機感はなかっただろう。旅行を見合わせるように助言した人もいないはずだ。そりゃそうだ。大手旅行代理店が販売してるんだもの。

17日に帰国、発症した事例に関してはもう少し慎重になるべきだったのでは、との思いもあるが、旅行会社の責任のほうが大きい。3月2日には「ヨーロッパ=危険」というのは既定事項になっていたのに、堂々と販売していたのだから。その時点で旅行会社がツアーを中止していれば、彼らが罹患することはなかったのである。なお、当社では2月20日以降の予約はすべてキャンセル、当面の催行は不能である旨を通知した。しかし、弱小会社(当社)の訴えが世間に影響を与えることは全くなかった。 

某大手旅行会社の3月26日の公告

※出発日:2020年5月3日までの出発 : 催行中止
※出発日:2020年5月4日以降の出発 : 今後の状況を鑑み改めてご案内いたします。

 時すでに遅し。一月前に決断すべきだった。