マスクが欲しい
中国がマスク外交を展開し始めたのはいつだったか。フィンランドもいち早く呼応し、4月8日、第一弾として200万枚のマスクがヘルシンキに到着した。が、すべて衛生基準を満たしておらず、政府は遺憾の意を表明。それらがどうなったかは不明。14日に到着した第二便も使い物にならず、市中に出回ることはなかった。これらのマスクが送り返されたのか、破棄されたのか。報道されないのでその行方は分からない。「有効利用する」とのコメントがあったが、どうなったのか。いろいろ胡散臭い話もあるが、それはとりあえず置いておこう。
フィンランドでマスクは異様な光景
現在の日本でマスクをせずに外出すると非難の目を向けられるだろうが、二月ほど前までのフィンランド(およびほとんどの欧米諸国)ではその逆で、マスクをしている人は排除される傾向にあった。「重病人が出歩くんじゃないよ」という認識である。日本でいえば、点滴スタンドを引きづって街中を歩くようなもんだろう。一般のフィンランド人がマスクを着用することは皆無だったといってよい。
コロナが猛威を振るい始めた3月も半ばになると、マスクをつける人を見かけるようになるが、着用者はアラブ系、アジア系の外人のみ。中にはフィンランド人もいたかもしれないが、実際には確認していない。スカーフで口元を覆う人はいた。その効果の有無は別として、マスクへの嫌悪感を改めて感じたものだ。
さらに一月がすぎた4月中旬になると、マスクをしたフィンランド人を目にするようになった。とはいえ着用率は100人に一人にも及ぶまい。医療機関でもマスクが不足している現状、市中で購入することはできない。通販(ドイツ等から取り寄せ)で買えないこともないが、現物を確認したうえでないと・・・と、二の足を踏んでいる。マスクをしている人がほとんどいない、という状況も購入の動機を下げている。濃厚接触は完璧に防いでいるし。