フィンランド:コロナ禍

フィンランドでのコロナの状況を報告

再再度の入国制限発令

まさかいまどきフィンランド(その他の海外)に旅行しようと思う人はいないだろうが、去る1月11日より、同国は入国規制を再再度見直した。簡単に言えば「日本人の入国は原則として認められない」ということ。

つい最近まで「日本人はフィンランドに自由に旅行できますよ」と喧伝するサイトがあった。いまだに「フィンランドの感染者は(比較的)少ない」と擁護しているが、同国の新規感染者数は200~300人ほど。人口比を考えると日本と同等のレベル。安全な国など、あるわけがないのだ。

そんなわけで、今回の措置は時期がやや遅れた感もあるが、当然の帰結だろう。2月9日までの暫定措置という扱い。素人考えとしてはそれまでに状況が改善するとは思えないが、期間を区切り、その時点の変化に応じた対策を再考するということなのだろう。

・学校は1月末まで閉鎖

・街中のマスク着用率は8割くらい(かな?)

事態改善の見通しは立たず

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とどまるところを知らぬかのような脅威

しばらく更新していなかったのは生来の怠惰さに加え、新しいニュースもないため。
今月上旬、新規感染者が800人を超えるというとてつもない事態を迎えたが、4月に200人を超えたときほどの衝撃はなかったようだ。異常事態に慣れてしまった感じ。フィンランドでの840人って、日本なら2万人相当なんだけど。

まあ、この一月あまりにいろいろありましたよ。中高は今年3度目の学校閉鎖、英国との往来遮断、市中でのマスク着用率は9割を超えたか? という状況になり、来週からコロナワクチン接種開始等々。

でもこれ、とりあげたところでほとんど意味ないでしょう。特にフィンランドへの旅行を考えるうえでは全く無意味。「入国制限解除。ようこそフィンランドへ」などという恥知らずな宣伝をしている旅行会社があったけど、冗談ではない。

とりあえず日本人はフィンランドにほぼ無条件で入国できますよ。でも帰国後はどうすんのさ。2週間の自宅(等)での待機が義務付けられてるんよ。やむを得ぬ事情がある人は別として、旅行なんてできないでしょう。また、欧州の状況を考えれば旅行なんてしてる場合じゃない。

外務省から連日のようにお知らせが届く。「新型コロナウイルス感染症に関する新たな水際対策措置」というタイトルに、少しは改善したのだろうか、と毎回淡い期待をもって読むが、事態は悪化の一途。現在のフィンランドは感染症危険情報のレベル3。「渡航は止めてください」という渡航中止勧告の対象である。

この先どうなるのか。いろんな専門家がいろんなことを述べており納得できる面はあるものの、事態改善への打開策にはつながらない。正確な所は誰にも分かるはずがないのだ。我々はただ感染防止に努めるしかない。

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クリスマス直前、例年なら多数の出店で賑わう大聖堂広場もご覧の通り。

 

マスク事情

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街中でのマスク着用が一般的に

フィンランドでもマスクの着用が一般的になってきました。何をいまさら、と言うかもしれませんが、コロナ禍以前、いやコロナが騒がれ始めたころでも「マスクをする」というのは”異常な行為”とこの国では思われていたのです。重症患者が病院を抜け出してきた、みたいに異様な目を向けられたものです。

感染の第一次ピークは4月上旬ですが、そのときも「マスクに予防効果はない。むしろ弊害のほうが多い」とSanna Marin首相(美人)は公言していたものです。

 

中国から輸入したマスクが衛生基準に達しておらず、200万枚を返却したというのもこの頃です。したがって市場に出回るマスクは少なく、6月くらいまでは使い捨てマスク一枚が200円くらいしてたんじゃないかな。

その後はしだいにマスク着用者も増えてきて、10月中旬の新聞には「通勤時間帯の着用率は66%、その他の時間は半分くらいになる」なんて記事が出てました。しかしこれはカウンター(数取機)で計測したわけではなく、検札係員の目測なのであてにならない。66%なんて細かい数字を出されると、むしろ信ぴょう性に欠ける。

とはいえフィンランドでもマスクは確実に定着してきており、たとえば中高の生徒は授業中の着用が強制される。しかも1時間半(授業単位)ごとに交換しているのが習わしになった。公共交通機関や各種店舗内での着用率が6~7割というのは私の実感にも近い。昨今ではマスクをしていない人に対して顰蹙の目を向ける傾向になったともいえる。

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ヘルシンキ中央駅のシンボル、ランタンを持つ男もマスク着用

こうした中、マスクの値段も下がっており、現在の相場は一枚50円くらいかな。ネットで中国から取り寄せると20円弱のものもあるけど、着けてりゃいいってものじゃないしなあ。
なお、前述のマリン首相(美人)のスキャンダラスな写真が女性ファッション誌に掲載され、この週末はネットを大いに沸かせました。ネットの配信ニュースは削除の動きですが、スクリーンショットを持ってるのでここに載せちゃおうかなあ、とも思ったけど自粛。まだ探せば出てくるかも。
マスクと合わせたパロディ、揶揄写真もみつかるはず。

行きはよいよい、帰りは・・のフィンランド旅行

フィンランドにおけるコロナ禍情報、約2か月ぶりの更新です。
一時期の小康状態から、状況悪化が明らかな現在、何を書いても意味ないからね。海外旅行の再開を楽しみにしている人は多いだろうけど、個人サイトはもとより、旅行会社がどんなに熱を入れて情報発信しても大勢を左右することはない。この先どうなるは誰にも分らないし。

しかし、現地状況に関心の高い人も少しはいるだろうから、最近の様子を記してみよう。まずは悪い知らせ。

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過去2週間の新規感染者数は毎日200人前後。10月上旬には300人を超える日もあるなど、かつてない状況。フィンランドの300人は日本の6000人以上に相当するので、「どうしてフィンランドには感染者が少ないのか」という発言がいかにたわけたことか分かるだろう。そういうわけで、日本からフィンランドへの旅行は当分無理といえる。

いっぽう、フィンランドは夏ごろから国境閉鎖を緩和。EU内の人口移動が再開した。続いて9月19日にはその他エリアからの観光客も入国できるようになった。入国が規制される国もあるが、日本居住者(簡単に言えば日本人)についてはフリーパス。PCR検査を強制されることはないし、入国後の行動制限もない。いくらでも観光できる。成田⇔ヘルシンキの飛行機も飛んでるし。

しかし、である。日本の入国制限は依然として厳しい。空港でのPCR検査強制はもちろん、帰国後2週間は自宅等での待機が義務づけられている。したがって今のところ、海外旅行は実質的に不可能といってよい。フィンランドで一週間すごし、その後2週間は自宅でバカンス、という余裕のある人は別として。

両国の対応の違いは「日本=安全、海外=汚染地区」という図式を示している。日本政府が安全策をとるのはよいとしても、フィンランドもしくはその他の国々は不満を感じることはないのだろうか。EU諸国が国境を開放したのは人的移動が経済活動の活性化に不可欠だからに他ならないが、日本との商談にはあてはまらないのだろうか。

あ、フィンランドに入国はできる、というのはちょっと良い話かもしれないけど、結局「悪い話」しかなかった。

 

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小康状態続くも、収束の兆しはない

フィンランド国内におけるコロナ新規感染者は27人(9月13日付)。200人を超えていたピーク時に比べるとだいぶ収まってきたように思えるが、人口比で単純に計算すると、日本なら500人以上に相当する。

3月以降、フィンランドでは緊急事態宣言を発令。首都圏ロックダウンや多人数の集会禁止などを実施してきたが、その一つに国境閉鎖、外国人の受け入れ制限がある。

いずれも刻々と変化し、諸外国とともに日本からの入国禁止・解除を繰り返してきた。現時点では依然として日本人入国は制限されているが、同措置は9月19日に解除。フィンランド入国後の行動制限もなく、規約上は観光も可能になるわけだが、実際に旅する人はいないだろう。日本政府もフィンランドへの渡航自粛を呼び掛けているし、仮にフィンランド(その他の国含む)を訪れたら、帰国後は2週間の自宅待機が義務付けられている。その規制解除の目星は立っていないから、海外旅行はしばらくおあづけというのが実情である。

 

いつまで我慢すればいいのか。誰にもわからないだろう。必要以上に恐れる必要はないという識者もいるが、それが正しいとしても世の中の共通認識となり、海外旅行に抵抗がなくなるようになるまでにはやはり時間がかかるだろう。

フィンランド国立健康福祉研究所(THL)の見解は「春先に恐れていたほどには悪化していないが、状況は来年の夏まで続くだろう」とのこと。その見通しにしても保証の限りではない。個人としては手洗い、うがい、マスク着用、外出を控えるといった基本的な取り組みで対処するしかない。

近年まれにみる盛夏を迎えつつあるが・・・・

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ヘルシンキ中心部午後7時

今日はユハンヌス前夜。俗にいう”夏至祭”だが、厳密には無関係。詳細は割愛するが、とにかくこの日は大勢の人が外に出るのが習わし。ユハンヌスがこれほどの快晴・高温となるのは何十年ぶりかのことらしいが、ご覧のようにほぼゴーストタウン。今月から設置されたテラスにもほとんど客はいない。当然といえば当然。

こうした自粛が功をなしたのか、コロナの新規被害者数は相当に減っている。この二日間での新規感染者は7人(総計7119人)、死者ゼロ(同326人)。吉報ではある。
その反面といおうか、森にでかける人が多い。下の写真はヌークシオ国立公園で最も知名度が高い場所の駐車場。焚火場の使用は控えるようにというお達しが出ていたが、この状況じゃあ大混雑だろうなあ。

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ハウッカランピの駐車場。PM7時 https://parkkihaukka.fi/#/

今月から飲食店や観光施設も一定の規制下で営業再開。ホテルの値段はかなりお得な様子だが、海外からの観光客は極めて少なかろう。来月からはフィンエアーのアジア便も再開予定で、徐々に従来の生活に戻しつつある。とはいえ、仮にフィンランドで終息しても、またぞろ舞い込む危険性は十分にあるわけで、予断は許されない。

以下、これまでの施策の一部を写真で紹介。こんなこともあったなあ、と思いで話ができる日が早く来てほしい。

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使用できないようにロックされた両替機。お金はウィルスの媒体でもある

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スポーツジムのロッカーは間引き使用。法則がよくわからない。

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スーパー入り口の消毒液噴霧器。プッシュボトルを避ける工夫のひとつ。

 

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夏休みの始まりを祝う学生たち。すでに2か月以上休みだったじゃん。

5月14日に学校が再開されたのをはじめ、6月1日からはコロナ対策の規制がさらに緩和された。

以下、分かりやすいものをあげると、集会の人数制限は10人から50人へ、運動競技会の開催、シェンゲン国内での移動解禁(業務上もしくは必要不可欠な場合のみ)、国内移動の自由化など。
国立福祉研究所の発表によると、昨日今日の新規感染者および死亡者とも2名。
夏が近づき、日差しが強くなったので「紫外線でコロナを消毒」というイメージも手伝い、「コロナ禍も収束か?」とも思えてくる。

しかしそれは今までの自粛生活のたまものだろう。素人考えだが、ここで気を許せば元の木阿弥では? と懸念する。こうした思いは私だけのものではなく、夕刊紙のイルタサノマット(Ilta Sanomat)によると調査対象の42%が(規制緩和で)コロナが拡大するという不安を持っているとのこと。
同紙はさらに専門家の意見を紹介。「コロナ第二波は必ずしも来ない」とのこと。つまり、来るかもしれないということだからゆめゆめ安心はできないのだ。

そんな折、大学が夏休みに突入。晴天に恵まれた先週末はヘルシンキの中心部に700人の若者が集まった。依然として50人以上の集会は依然として禁止されているが、これは「自然発生」だから排除できなかったのだろう。
「対コロナのルールを忘れた若者たち」という見出しでニュース報道されていた。こんなことが続けばせっかくの努力が、今までの苦労が・・・と腹立たしい。

6月2日時点の総感染者6885人、死亡318人。

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祭りのあと

 

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