フィンランド:コロナ禍

フィンランドでのコロナの状況を報告

無料の”ランチパック”を利用してみた

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配給は週に一度。その一週間前までに申請が必要。

学校閉鎖から一月半。児童の保護者の負担が大きいものの一つに食事がある。
フィンランドでは共働きがごく当たり前だが、この時期、必ずしも両親そろってテレワークができるわけではない。そうすると心配になるのが子供たちの昼食だ。 

地域による違いはあるが、休校後も児童たちに昼食を提供し続けている学校もある。それができない、あるいは意図的に集合を防ぐための措置として、“ランチパック”の支給がある。一週間前に申請し、児童が取りに行く制度。これを初めて利用してみた。内容はご覧の通り。品目を挙げておこう。 

・トマトとチーズのスープ
・ほうれん草とイラクサのスープ
・クリーム仕立てのチキンソース+ライス
・ケバブ入りジャガイモグラタン
・ライ麦の乾パン
・ほうれん草入りパンケーキ
・マーガリン
・きゅうり
・トマト
・牛乳1リットル 

初めの4種はレンジで温めて食べるおかず。5~6番目はパンに相当。平日5日分としたら、おかずが一日分足りない。今週は休日があるから、その日の分は除外しているのだろう。しかしそれならトマトも4つでいいはずだが。いっぽう、マーガリンは一週間で消費できる量ではない。翌週はないのかな?
来週分も申し込んだので、まもなくはっきりするだろう。

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電子レンジ用のインスタント食品。一般に市販されているもの。

 ジャガイモグラタンの消費期限は明日まで。トマト、きゅうりはスーパーの売れ残り品みたいで、かなり熟した状態だった。メインディッシュ+パン類+牛乳+野菜で、一食あたり300円程度と推測。

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本日のランチ

ほうれん草+イラクサのスープはビタミン・ミネラルが豊富なイメージ。半分に切ったゆで卵を浮かべて食べるのが定番。本品は出来合いにしてはなかなかいける。塩味が薄い点もよい。ライ麦の乾パンも、噛みしめると滋味を感じる。食感は煎餅。しかし、毎日これじゃあなあ・・・。

※参考
フィンランドでは19世紀後半から一部の学校で給食制度が始まった。1948年に給食の無料化が法制化。全国に展開される。現在に至るまで、「専業主婦」という存在がほぼ皆無であるため、昼食の確保は重要な国策だったのである。
現在の給食の一食当たり平均価格は2.76ユーロ。

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マスクが欲しい

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中国がマスク外交を展開し始めたのはいつだったか。フィンランドもいち早く呼応し、4月8日、第一弾として200万枚のマスクがヘルシンキに到着した。が、すべて衛生基準を満たしておらず、政府は遺憾の意を表明。それらがどうなったかは不明。14日に到着した第二便も使い物にならず、市中に出回ることはなかった。これらのマスクが送り返されたのか、破棄されたのか。報道されないのでその行方は分からない。「有効利用する」とのコメントがあったが、どうなったのか。いろいろ胡散臭い話もあるが、それはとりあえず置いておこう。

 フィンランドでマスクは異様な光景

現在の日本でマスクをせずに外出すると非難の目を向けられるだろうが、二月ほど前までのフィンランド(およびほとんどの欧米諸国)ではその逆で、マスクをしている人は排除される傾向にあった。「重病人が出歩くんじゃないよ」という認識である。日本でいえば、点滴スタンドを引きづって街中を歩くようなもんだろう。一般のフィンランド人がマスクを着用することは皆無だったといってよい。

コロナが猛威を振るい始めた3月も半ばになると、マスクをつける人を見かけるようになるが、着用者はアラブ系、アジア系の外人のみ。中にはフィンランド人もいたかもしれないが、実際には確認していない。スカーフで口元を覆う人はいた。その効果の有無は別として、マスクへの嫌悪感を改めて感じたものだ。

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マスク着用は自分のため、人のため、なのにね

さらに一月がすぎた4月中旬になると、マスクをしたフィンランド人を目にするようになった。とはいえ着用率は100人に一人にも及ぶまい。医療機関でもマスクが不足している現状、市中で購入することはできない。通販(ドイツ等から取り寄せ)で買えないこともないが、現物を確認したうえでないと・・・と、二の足を踏んでいる。マスクをしている人がほとんどいない、という状況も購入の動機を下げている。濃厚接触は完璧に防いでいるし。

 

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なぜフィンランドではコロナ感染者が少ないのか?

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コロナの被害状況(4月26日)

初めにことわっておくが、今回のタイトルは世のブログの大勢に倣い、羊頭狗肉なものにした。本文を読み進めれば、その意図がわかるはずである。

圧倒的な人口差がある国との比較に意味があるのか

さて、WHOのデータによると4月26日時点でフィンランドで確認された感染者は4475人、死亡186人。一方、日本ではそれぞれ1万3371人、366人である。こうしたことから「フィンランドでは感染者が少ない」といった報道がなされてきたわけだが(「現代ビジネス・講談社」など)、本当だろうか。

そもそも、感染者数の多寡を比べることにどれほどの意味があるのか。感染者に数えられるのは受診者だけだから、実態を表していないことは誰もが知っている。潜在的な感染者を含めれば、公表値を上回っていることはまちがいない。そんなあいまいな数値をもとにして客観的な分析ができるのだろうか。

いっぽう、死亡者数は絶対値だから各国の状況を比較する根拠になりうる。情報隠蔽を疑うとキリがないのだが、統計を信じてフィンランドと日本での死亡者数を比べてみよう。そうすると日本の総数はフィンランドの倍であることがわかる。これに基づき、「なぜフィンランドでは感染者(実際には死亡者)が少ないのか」と問うのなら、答えは簡単だ。人口が少ないからに他ならない。 

現在の日本の人口は約1億2600万人。かたやフィンランドは550万人。およそ23:1である。つまり、フィンランドでの186人の死者は、日本なら4000人以上に相当するわけだ。これでも「フィンランドでは感染者が少ない」と言い張るつもりか。

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両国とも新感染者数は減少傾向に見えるが、実態は不明

フィンランドでのコロナ対策が巷に浸透していることは認める。うがい、手洗いの励行、他人との距離を保つ、外出自粛、店舗・娯楽施設等の大幅な営業制限・・・・。こうした努力がウィルスの広がりを抑え、新規感染者数は減少傾向にある。国民が足並みをそろえて取り組んでいる事実は評価すべきである。

いっぽう、日本の対策はフィンランドに比べると非常に緩く感じる。人口の多さや、テレワークへの移行が難しい等の事情はやむを得ないが、いまだに歓楽街や娯楽施設に足を伸ばす人々が絶えないではないか。が、それにも関わらず、フィンランドに比較すれば日本の感染者は圧倒的に少ない。「なぜ日本では感染者が少ないのか?」を、本当にそうなのか? も含めて考えるべきではないのか。

 「教育水準世界一」、「幸福度ナンバー1」などといったキャッチフレーズと同様、「感染者が少ない」という報道も、とにかくフィンランドを持ち上げるのが第一目的としか思えない。フィンランドは(日本人が)批判してはいけない国なのである。そんな深層心理で創作したヨイショ記事に有意義な内容があるわけがない。
なお、人口1000万人のスウェーデンでの死者は2000人を超えた。相対数、絶対数ともにとんでもない数値だ。これもまた「独自路線」として評価する声が強い。

 

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フィンランド入国は事実上不可能に

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スウェーデンに向かうフェリー二隻。ヘルシンキ南港・4月19日

20日の投稿で「ヘルシンキ⇔ストックホルムのフェリーがまだ運航してる」と書いたが、ウェブカメラを見て驚いたのがきっかけ(上掲写真)。南港に客船が停泊してる。

が、その状況は今日から変わり、貨物船を除いてフィンランドへの入港はすべて禁止されることになった。出国はOK。すなわち、前回記載したようにタリンクシリヤはヘルシンキからタリンへの運航を継続しているし、ストックホルムに渡ることも可能。ただし、いつ戻れるかは分からない。

例によって予約サイトをのぞいてみると、5月16日以降なら往復予約ができる(Viking Line)。しかしあくまでも予約が可能なだけで、実際に運航されることはなかろう。

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タリンにも、「行くこと」はできます

23日時点でスウェーデンでの感染者総数は1万6004人、うち1937人が死亡している。週刊プレイボーイの5月4日号だったか、記憶はあいまいだが、とにかく週刊誌でスウェーデンの内情がレポートされていた。

意外と知られていないことだが、スウェーデンというのは貧富の格差が大きい。同レポートはその点を指摘し、コロナは貧困層を直撃したとまとめている。主な被害者は移民である。アメリカでも大量に死亡したのは黒人貧困層である、とその共通点を挙げている。 
この辺はフィンランドとは状況が大きく異なる。フィンランドにもアフリカ、アラブ、東南アジア、旧東欧からの移民は多いが、彼らが特段の貧困層を形成しているとは思えない。すなわち、外人・移民の罹患、その挙句の死亡率とフィンランド人のそれとの有意差はないだろう。今のところは。

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新規感染者の数は減少傾向にあるようだが・・・

 フィンランドでのコロナ感染者数は3月上旬から増加の一方。一時期は日に200人を超す新規感染者を記録した。が、外出自粛が功をなしたのか、4月上旬のピーク以降、波はあるものの減少傾向に転じた。もちろんこれは新規感染者数が減りつつあるだけで、総数は増えているのだから安心には程遠い。むしろ逆かもしれない。
23日の総感染者数4129人。死者149人。3日前までの死者が94人だったことを考えると、威力は増しているといえるのではないか。

 

 

 

いまどきスウェーデンに行くのか?

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ヘルシンキどまんなか。エスプラナーで公園の入り口を俯瞰

いまさら言うまでもなく、現時点でもコロナ禍は拡大の一途。新しい感染者の増加数は減少気味だが、総数は増え続けている。上掲写真は本日午後一時のヘルシンキ。エスプラナーで公園を臨む都心のどまんなかが寂莫たるもの。この様子はウェブカメラでリアルタイムに見ることができる。下記URLをたどると国内5か所の様子が見れるが、どこも閑散としたもの。外出自粛が守られているようだ。
https://balticlivecam.com/cameras/finland/helsinki/helsinki-view-klaus-k-hotel/

 ヘルシンキにある5つの港を映すサイトもあるので、ちょっと見てみたらびっくり。フェリーが運航しているのですね。ダイヤモンドプリンセス以降、フェリーはアブナイということで軒並み運航は中止になったと思っていたが、そうではなかった。ヘルシンキ⇔ストックホルム便は通常どおり。ライブカメラにはタリンクシリヤとヴィーキングラインの客船が南港に停泊している姿が映っている。
ストックホルム=スウェーデンといえば・・・・。これまで独自路線、すなわち何もしない政策を進め、なおかつ感染者を抑えていると報道されてきたが、一昨日のデータではいきなり世界ワースト10入り。感染者数13216人、死者1400人を数えた。単純に人口比で考えると、日本なら約2万人の死亡者に相当するわけだ。そんなところにデイリーで運航するとは。スウェーデンの現状については再度調べてみようと思う。
https://www.portofhelsinki.fi/en/port-helsinki/web-cameras/south-harbour

 ではヘルシンキ⇔タリンのフェリーはどうか、とタリンク・シリヤの予約ページをのぞいてみた。こちらも動いている。そのタイムテーブルを掲載しよう。

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いつ帰れるかは分からない

 確かに運航しているのだが、片道切符だ。往復チケットを予約しようとしても帰路は選べない。つまり、帰ってこれないのである。フィンランドには多くのエストニア人が生活しているから、本国に戻りたい人々の需要はあるのかもしれないが、いつ帰れるかも分からなくても帰省するのだろうか。

なお、タリンクシリヤも営業不振を挽回すべく、免税品のネット販売を推進。その案内メールがよく届くようになった。旅行もしないで買い物が免税対象になるのか? よく見てないが、チョコやぬいぐるみなんか買ってもしょうがないだろう。酒・たばこ・高級化粧品は当然ながら販売されない。

本日の感染者数3783人、死者94人

非常事態が日常に。淡々と過ごす日々

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「小さな取り組みが大きく影響」と衛生管理への注意を喚起するポスター

武漢ウィルスの殺傷力が周知のこととなって一月あまり。漠然とした不安は募る一方ながら、秩序は保たれているフィンランド。「ウィルスをばらまきに来た!」というような吉外はいない。

以前にも書いたけど、厳しい状況を国民一丸となって乗り切ろう、という基本認識が形成されている印象。1939年~44年にかけての冬戦争、継続戦争に通じる国民意識を感じる。ちょっと大げさかな。そしてこれが民族差別を助長する恐れは現実的。指摘のないのが不思議である。

 

最近は「非日常」が「日常」になっている。さまざまな場所で注意喚起。上掲写真は国立保健福祉研究所による「咳・くしゃみをするときのマナー」、「手洗いの方法」を示したもの。ショッピングモールのところどころにアルコール消毒液が置かれ、「他人との距離をとりましょう」といった注意喚起アナウンスが控えめに流れる。

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食料品店にはアルコール消毒液が設置。最近は利用者が多い

図書館、室内遊技場、カフェ等々はとっくに閉鎖されたため、戸外を出歩く人が多い。晴れの日が増え、気温も徐々にあがってきたから散歩が気持ちよい。幸い、フィンランドのどこに住んでいても、少し足を伸ばせば森林浴を楽しめる場所がいくらでもある。
旅行に行けないし、繁華街に出る気もない。そういった人々で、散歩コースへの人出は従来の倍増といった感じ。ヌークシオ銀座の異名を持つ某焚火場は過密状態。森林省が別ルートの利用を誘うほどだ。

 

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屋外、知人との会話でも距離をとるのが最近のマナー

首都圏封鎖は当初の予定を前倒しにして昨日終了。感染者3237人、うち死者72人と微増してるのに、大丈夫か? との懸念はぬぐえない。

営業自粛は粛々と進む

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ショッピングモール内のレストランも休業に

日本でもしばらく前から「不要不急の外出は控えましょう」と呼びかけられていたようだが、SNSなどを見ると「不要不急じゃないけど散歩に出かけた」などと訳の分からない記述が散見し、ダメだこりゃ、と思ったものだ。クラスターやらなんやらとともに、言葉が通じていないのだろう。「緊急かつ重要な場合以外は外出するな」と呼びかければよかったのではないだろうか。それでも巣鴨とげぬき地蔵通りは4月4日の縁日が大盛況だったそうだから、何を言っても無駄ということか。 

いっぽう、フィンランドでは着々と自粛が進んでいる。はっきりとした時期は覚えていないが、大手チェーンに続いて個人経営のレストランも休業。持ち帰り商品の販売のみとなった。 

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スーパーやコンビニ内にも設置されるほどに普及


それに先立ち、スロットマシンの使用が禁じられた。不特定多数がゲーム機器に触れるわけだから感染の危険性が高い。現金(コイン)がそのまま出てくる点も危ない。 

フィンランド政府がコロナの蔓延を危惧し始めたのが3月10日。ゲーム機は14日より全面的に使用禁止になった。素早い対応だ。
パチンコ同様に中毒性があり、多くのフィンランド人が止められないほどに人気があるもの。余談ながらその収益は社会福祉に当てるのが建前なので、パチンコとは異なって有益性があるにも関わらずである。利益より健康を優先したわけだ。 

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日本でも人気のH&Mもご覧の通り

続いて一般店舗の客足は激減。衣料品の購入は不要不急であるケースが多いから、それはうなづける。眼鏡店は接触の可能性が高いからか? それにしては美容院、理髪店にはそこそこの客が入っている。
近郊列車の乗客は一車両に多くて2~3人。線路わきで観察しただけだから正確には分からないが、ガラガラであることは遠目でもわかる。バスは路線によっては乗客ゼロ。

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たまたま無人の時に撮ったんでしょ、と言われると否定できないが……

これらを見る限り「無人の町」のように感じるかもしれないが、あえてイメージを伝えるために写真を選んでいる。いずれもヘルシンキの隣町、エスポー(Espoo)での撮影だが、実際の人出はヘルシンキより多いのではないか? 屋外では特にそう感じる。
とはいえ、ヘルシンキは2か月ほど訪れておらず、WebCameraで見ているだけなので、実態は分からない。

 4月10日時点での国内感染者は2769人。うち48人が死亡した。